Kimono Item 0082
浪華本染め
なにわほんぞめ
産地情報で堺市、柏原市と示される浪華本染め。名称だけでなく、作りと付属資料まで照合します。家族から受け継いだ状態のまま、証紙、産地表示、反物端、織り出し、落款、仕立て残布を確認します。名称照合では、「江戸時代から大阪は手拭いの大産地でした」という説明を外観と比べます。染色品の照合では、図柄の題材より先に染めの状態と落款の有無を記録します。帯や着物を重ねたまま撮ると表示が対応しなくなるため、一点ずつ全体と細部を記録します。取扱対象でも状態によって結果は変わるため、傷みを含む現状の写真で確認を依頼します。質感や重さは写真だけで伝わりにくいため、自己評価で断定せず現物確認が必要な点として残します。手元の浪華本染めは評価から逆算せず、名称の根拠、状態、寸法の順に情報をそろえます。
見分けるための手掛かり
特徴の記録
江戸時代から大阪は手拭いの大産地でした。明治20年ごろに、防染糊を置いた生地を重ねて、その上から染料を注ぐ染色法が大阪で誕生しました。明治時代の職人たちは、工夫を重ね、多色染めの「差し分け」や「ぼかし」、「細川」といった染色技法を考案し、手染ならではの伝統色の、和の風合いを醸し出す染色技法を磨き上げました。その染色技法は浪華本染めとして受け継がれています。
技法の記録
糊置き職人は板場(いたば)、染色職人は壺人(つぼんど)と呼んでいます。板場は、型枠を操作し、防染糊を置いて、一型ごとに折り畳んでいきます。この糊の置き方で染まり具合が決まります。糊置きした生地の束を壺人が染めます。防染糊の土手を引いて差し分けやぼかしの技法で染めていきます。染めた生地は余分な糊や染料を洗い落として天日干しされ、ゆかたや手拭いに仕上げます。
証紙や付属資料が見つからない場合
資料がないことだけで品目や取扱可否を断定しません。見える範囲の表示、端部、落款、仕立ての状態を撮影し、確認できたことと確認できないことを分けて伝えます。
状態確認のチェック項目
- シミ
- カビ
- 変色
- 虫食い
- におい
- 寸法
- 仕立て状態を確認