Kimono Item 0118
浪華本染め(ゆかた)
なにわほんぞめ
産地名や技法名を持つ浪華本染め(ゆかた)は、呼び名だけでなく制作上の特徴から確認します。古さだけでは取扱可否を判断できません。名称の根拠と現在の状態を分けて確認します。査定前の確認箇所は、証紙、産地表示、反物端、織り出し、落款、仕立て残布を確認します。公的情報では伝統的工芸品(令和元年11月20日)に当たりますが、指定の有無と手元の品の状態は分けて判断します。対面査定では確認したい特徴をメモで示し、名称判断の根拠を尋ねてください。製造地域として確認できるのは堺市、柏原市です。織り出しが畳みの内側にある場合は、無理なく見える範囲だけを撮影します。寸法を測る際は生地を強く引かず、測定できなかった箇所は空欄のまま伝えます。
見分けるための手掛かり
特徴の記録
江戸時代から大阪は手拭いの大産地でした。明治20年ごろに、防染糊を置いた生地を重ねて、その上から染料を注ぐ染色法が大阪で誕生しました。明治時代の職人たちは、工夫を重ね、多色染めの「差し分け」や「ぼかし」、「細川」といった染色技法を考案し、手染ならではの伝統色の、和の風合いを醸し出す染色技法を磨き上げました。その染色技法は浪華本染めとして受け継がれています。
技法の記録
糊置き職人は板場(いたば)、染色職人は壺人(つぼんど)と呼んでいます。板場は、型枠を操作し、防染糊を置いて、一型ごとに折り畳んでいきます。この糊の置き方で染まり具合が決まります。糊置きした生地の束を壺人が染めます。防染糊の土手を引いて差し分けやぼかしの技法で染めていきます。染めた生地は余分な糊や染料を洗い落として天日干しされ、ゆかたや手拭いに仕上げます。
証紙や付属資料が見つからない場合
資料がないことだけで品目や取扱可否を断定しません。見える範囲の表示、端部、落款、仕立ての状態を撮影し、確認できたことと確認できないことを分けて伝えます。
状態確認のチェック項目
- シミ
- カビ
- 変色
- 虫食い
- におい
- 寸法
- 仕立て状態を確認