Kimono Item 0172
多摩織(羽織)
たまおり
多摩織の中でも、羽織として確認したいのが多摩織(羽織)です。公的情報では伝統的工芸品(昭和55年3月3日)に当たりますが、指定の有無と手元の品の状態は分けて判断します。羽織は多摩織の主な製品として明記されたもので、根拠のない組み合わせではありません。現物確認では、衽裏や八掛付近の落款、反物端、証紙、仕立て残布、衿先の表示を確認します。処分を急ぐ前に、品目名と確認箇所をメモしておけば、複数点を取り違えずに相談できます。寸法は価値そのものではありませんが、取扱い判断に使われるため、身丈や幅を測れる範囲で控えます。購入時の領収書があれば日付と品名を確認し、本体と一致しない記載はそのまま伝えます。寸法を測る際は生地を強く引かず、測定できなかった箇所は空欄のまま伝えます。
見分けるための手掛かり
特徴の記録
多摩織にはお召織(めしおり)、紬織、風通織(ふうつうおり)、変り綴(かわりつづれ)、綟り織(もじりおり)の品種があります。伝統的に渋い実用的な作品が多く作られてきましたが、最近では、洗練されたデザイン、新しい感覚、優れた技術をとり入れつつ、伝統的な手作業により特色のある優れた製品を産み続けています。
技法の記録
お召織は先染めまたは先練りの平織、綾織もしくは朱子織(しゅすおり)または変化織です。使用する緯糸は下撚(したより)の後、わらび粉及びひめ糊を手作業でもみ込み、八丁撚糸機(はっちょうねんしき)で右撚と左撚に同時に撚(よ)り上げます。撚られた糸で織った後、シボを浮き上がらせるために湯の中でもみ、幅出しして仕上げます。
証紙や付属資料が見つからない場合
資料がないことだけで品目や取扱可否を断定しません。見える範囲の表示、端部、落款、仕立ての状態を撮影し、確認できたことと確認できないことを分けて伝えます。
状態確認のチェック項目
- シミ
- カビ
- 変色
- 虫食い
- におい
- 寸法
- 仕立て状態を確認